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婚約者候補筆頭なんて知りませんッ

婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第9話 記憶の扉をこじ開けてみよう 

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 満を侍して吐き出した言葉に、彼女は盛大に小首を傾けると少し考え込んでいるようだった。
 そして、やがてその口から吐き出された言葉は、私の求めた返答からはかなり遠いく……。

「子供には普通……、両親は必要ですよね?……って言うか、両親は、うちにもいますし……」

「……そりゃいるだろう。私もよぉーく知っているし、私にも親はいるよ」

「……ですよね?」

 ……全く話が通じていなかった。

 確かに身体の不調には気付けても、それに至るまでの経緯の記憶を失っているのだ。
 この時点から実際の体調不良の原因を、想像するには難しいものがあるのかもしれない。
 なんと言っても相手は事恋愛ごとに関しては、自身の気持ちは愚か、かなり鈍感そうな相手だ。
 まだやはり、ここまで聞く時期では無かったのかもしれないと、直後に思い直す。
 ならば今の私が彼女にしてやらなければならない事は何なのか?
 これから二人の未来の為に、私は何をしなければならないのか?
 そう考えた時、そろそろ私も覚悟を決めるべきだと思った。

「フィフィは、やはり妹弟(きょうだい)から離れるべきだ」

 今回の全ての原因は、彼女が妹シルリルに振り回されて来た事が発端となっている。
 私が事態を聞きつけて直ぐに出向いたことで最悪の状態は免れる事が出来たが、もし駆けつけていなければ、今頃私は彼女を永遠に失う事にもなっていたかもしれない……。
 今でもその事を思い出せば、震えが止まらなくなる。

 だが、その時の状況と私達のあの時の気持ちなど、知る由もない今の彼女は、当然私の提案を否定する筈。
 私との未来を捨てて、いとも簡単に家名と家族の為となると信じて今の道を選んだ彼女だ。
 そんな彼女が簡単に可愛い妹を切り離せる行動をとれるとは到底思えないが、ここは分かって貰わなくてはならないと話してみたのだが、結果はご覧の通りだ。

「そんなの余計なお世話です!」

 やはり容易には聞き入れてくれそうもなかった。
 けれど、残された期日はあとわずか。
 私だって、もう後には引けない!
 ならば思い出した所で彼女にとっては辛い出来事であったとしても、記憶を辿って行くしか無いのだ。

 もしも、それで、彼女が全て……とまでは行かないまでも、状況を理解できる所まで思い出してくれる可能性が、少しでもあるならば……。

 必ずしも辛いものばかりでは無かったと、心の何処かで思ってもらえるものと信じたいッ。
 そうなれば私はきっと……。心のままに彼女を手に入れる事が出来る筈。

「フィフィは、2週間程前にプロムナード家で開催された、夜会に行った事を覚えている?」

「勿論よ。妹に誘われて護衛に付き合わされたわ」

「では、そこで起こった出来事等は?」

「仮装して出かけさせられて……。仮面舞踏会……だったかしら? その他には確か……」

 出鼻から既に記憶の中に曖昧さも残るようだが、彼女は完全に……、全ての事を忘れ去ってしまっている訳では無さそうだ。
 何処まで覚えているかは分からないが、誘導により、少しでも多く記憶が蘇ってくれる事を信じたい。

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