FC2ブログ

婚約者候補筆頭なんて知りませんッ

婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第12話 伝令より届けられしも

 ←婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第11話 仮装舞踏会での出来事  →婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第13話 彼女に何が起こっているのか?
 騎士団統合本部における自室にて、警務騎士団団長と今月の捜査報告と今後の対策や非合法的な団体等の一斉取り締まりについての予定を立てていると、我が屋敷から緊急と称する伝令の使者が来ていると言う知らせが入った。
 我が家での最近の心配事と言えば、身体の弱い長男の事と、最近社交界デビューをはたした二番目の娘が、好んで良く夜会などに出かけていると言う点だった。
 二番目の娘には騎士の称号を持つ一番上の娘が付き沿ってくれている事から、そう緊急的に問題は起こらないだろうと踏んでいたから、長男に何かあったのかと急ぎ伝令を呼び入れてみれば、予想に反する言葉が伝えられた。

「シルリル様が、フィフィアナ様がお止するのも聞かずに、お友達と約束してしまったからとプロムナード伯爵家で行われている舞踏会へと出かけられました。とりあえず同行するから旦那様にその旨を至急伝えよと……」

「何だと!?」

「閣下、プロムナード伯爵家と言えば、来月の予定リストに確か……」

「何か……、大変なお屋敷なのですか? お嬢様方は、大丈夫なのでしょうか、旦那様ッ」

 娘たちを心配する伝令の言葉は、今の私の心境そのものだった。

 プロムナード伯爵家は、先程警務騎士団団長と今後の一斉取り締まりについて名を上げた中でも最も重要視された名の一つ。
 特定の夜会を隠れ蓑とし、催淫性の高い薬物の人体実験を行っていると言う密告を受け調べてみれば、事実、国で認められていない濃度の高い薬物を秘密裏に国外から仕入れている事が分かった。 
 現段階でも引っ張れない事も無いのだが、それでは根本的な解決にはならない。
 ならばここまでの調査で浮かび上がった数名の常習者から、隠れ蓑となっているらしい特定の夜会を見定め照準を合わせようという事になった。
 そこで出席者の事実確認が取れれば、少なくとも聴取の為に連行は出来るだろうと言う話しになっていた。
 来月には内々的に開かれる夜会があるとの情報を入手し、確実性を得る為の一斉取締の計画したばかりだった事から、伝令から話を聞いた瞬間、私の手からは大量の汗が滲み出る。
 まさか我が娘がそのような屋敷に出入りしているとは露程も思っておらず、焦りを覚えたのは疑いようのない事実だった。
 詳しくは伝えてはいなかったが、良い噂の聞かない屋敷の情報は、常に付き沿ってくれている経緯から、上の娘には流してあった。
 本来ならば身内と言えども流すべき情報ではないのだろうが、そこは仮も上の娘は騎士団に所属している。
 幸か不幸か二番目の娘は社交性が高い。
 子供の頃から好奇心が旺盛で元気なのは良いのだが、年頃になれば親としての心配は尽きない。

 プロムナード伯爵家の潜入調査は、何らかの特異性を持つ夜会開催日が最適との判断を先程下した事から来月の計画に組み込んだばかりだったが、こうなってくれば話は別だ。
 好機の一つであることは事つであることは疑いようのない事実であるし、何よりも娘たちがそこには居ると分かった以上、ただこのまま手を拱いているだけと言う事は絶対に出来ないッ。

「中の状況が掴めない以上、簡単に踏み込むことは出来ないが、いい機会だ。調査班を数名潜らせよう」

「旦那様がいらしては下さらないのですか?」

「私がこの成りで、無暗に出向くわけには行かないだろう。それこそ怪しまれる。調査班の者ならばそれなりの相応しい服装も用意できるだろう」

「ならば大丈夫です。今日の夜会は仮装舞踏会です」

 伝令の言葉に、私は息を飲んだ。

「何だと!?」

「閣下!」

 今この瞬間に巻き起こっている可能性の高い、秘めたることを想像し、私の血の気が引いた。

「ボナベスト師団長!」

「はっ!」

「計画の変更だ。先ほどの話を繰り上げる。直ちに待機中の第4班を引き連れ、プロムナード伯爵家へ向かわせよ。私も後を追うッ!」

 私は、声を高らかに響かせ、宣言した。
 娘たちの無事を祈りながら……。

★押して頂けると励みになります

にほんブログ村

にほんブログ村


総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第11話 仮装舞踏会での出来事 】へ
  • 【婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第13話 彼女に何が起こっているのか?】へ

~ Comment ~

NoTitle 

お、新作。
お世話になっております。
お忙しいのは変わらないようで。
ちょくちょく顔を出して、記事がアップされていたので
喜んでおります。
!(^^)!

薬かあ。。。
確かに考えてみれば、
交流会では盛んにあったんだろうなあ。。。
・・・と感じますね。
今のご時世だと、クラブとかそういったところでしょうかね。
いつの時代も快楽に負ける人はいるものですね。。。
(>_<)

LandM 様 

今日は。
こちらこそいつも有難うございます。
こちらの作ひなはムーンライトノベルズ連載の改稿記載で、2年前アルファポリス様で行われた恋愛大賞参リベンジ加作品となります。(まだ連載中)1091作品応募総数中当時最終順位8位でしたが賞には何も引っかからず^^;その前の「離婚しましょう旦那様ッ」と同じ順位終わりで何のリベンジにもならなかったと言う(笑)
前回の作品の長女のお話となります。
今年もまだ息子の受験で落ち着かないまでも、何とか私立は第一希望に合格したので、少し気分的に楽になって更新したと言う(爆)中々公立入試終わるまで落ち着きませんが、昨年も滅茶苦茶更新できてないので、今年は少しは多くできると良いな。

この時代はクラブも無いし、お貴族様は何かと隠れ蓑にどの時代もやっちゃってますが、やり方を間違え、目を付けられるとヤバいですねぇ。

更新今週は無理ですが、引き続きお楽しみいただけると幸いです。
いつもコメント有難うございます。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第11話 仮装舞踏会での出来事 】へ
  • 【婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第13話 彼女に何が起こっているのか?】へ